湖城の窓から「政府はどちらを見る?」
オーストラリアの農業生産者を代表する全国農業者連盟(NFF)がアルバニージー首相宛てに「政府はもはや信頼できない」という内容の公開書簡を送って話題となっています。
その書簡では、生体羊の海上輸出の禁止のほか、マレーダーリング盆地の水の買取制度や農業ビザの廃止、バイオセキュリティー賦課金の導入など、2022年の政権交代以降に現政権が実行したさまざまな施策に対し、農業界の不満が述べられています。
しかし振り返ってみると、こうした施策の多くは労働党が総選挙時の公約として挙げていたものです。農業界は認識はしていたものの、矢継ぎ早の実行にショックを受け動転しているかのようです。
NFFの書簡は「政府が農業界の声を聞いてくれるなら」、気候変動や競争の透明化、産業投資などの課題に協力して取り組めると強調しています。宣言の裏で「どうかこちらに向いてほしい」と泣きついているかのようにも見えます。
現在政府が注力しているスーパーの価格調査は、消費者への生活コスト圧力を緩和することを目的としています。次の選挙を視野に入れた政府の目には、生産者ではなく消費者が見えているようです。(編集長)
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