湖城の窓から「お役所仕事」
オーストラリア政府が先に発表したバイオセキュリティー賦課金(Levy)に、批判が集まっています。昨年5月の連邦予算案と同時に発表されたこの賦課金は、「公平で透明性と責任のあるバイセキュリティー強化システム」を構築する費用を農林水産業の生産者などが負担する仕組みです。合計4,750万豪ドル(1豪ドル=約98円)を、約8万8,000人・団体の生産者が、分野ごとの総生産高に応じ負担することになるようですが、明らかになっているのは7月開始ということだけで、その徴収方法など詳細はいまだ明確になっていません。
農林水産省はこれまで、既存の賦課金徴収システムを通じて徴収するとしていましたが、現行システムは、分野ごとに大きく異なることが明らかになっています。全国農業者連盟(NFF)は「例えばサプライチェーン内で複数回の取引が行われる家畜分野などは、総生産額に基づく管理は複雑で、コンプライアンスの順守は悪夢のようになる」とし、「導入まであと4カ月を切っているとは信じられない」と批判しています。
あまりのお役所仕事に業を煮やし、ある業界団体は代替案を発表しましたが、政府はまだ無言を貫いています。
複雑で欠陥だらけといわれるこの賦課金、負担は実際に得られる価値を上回るという懸念が日増しに強くなっています。(編集長)
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