湖城の窓から「立つ鳥跡を……」
小売り大手ウールワースが21日、上半期決算と合わせてブラッド・バンダッチ最高経営責任者(CEO)の退任を発表しました。パーキンス会長はバンダッチ氏の退任について、政界を巻き込んだ現在の価格つり上げ問題による引責辞任ではなく、創立100周年に合わせた円満退任だと主張しています。
ウールワースのこの問題を巡っては、これまで食品製造業界を代表する食品協議会が「批判には根拠がない」と述べるなど援護する声もありました。ウールワースは上院調査に対し、サプライヤーや農産物生産者からの卸値の値上げが小売価格の上昇の理由だと説明しています。
しかしここへ来て、卸値の上げ幅以上に販売価格を引き上げてより多いマージンを得る、という同社の値付け方法が明らかになり、またバンダッチ氏が公共放送ABCの取材に当たり、食品小売業界の競争を追求され、苛立ってインタビューを中断したことも、世間を驚かせました。
突然の退任発表は、そのインタビュー動画が明らかになってわずか数日後のことでした。
バンダッチ氏は8年間のCEO就任中に、競合コールズとの値下げ競争や干ばつ、洪水、ロックダウン、物流混乱、高インフレなど、さまざまな危機を乗り越えた名経営者としての地位を確立してきました。
しかしその名声は揺らいだ形です(編集長)
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