第9回 オーストラリアン・プラント・プロテインズ(Australian Plant Proteins )

Australian Plant Proteins (AAP) 社は、オーストラリア国内で最初に植物由来の原料(豆類)から含有タンパク質を抽出し、粉末に加工することに成功した、梱包から出荷までの全工程を手掛ける、創立者主導による珍しい企業です。ビクトリア州Horshamに工場を設立し、2020年に操業を開始しました。

7年にわたる研究開発の結果、独自のタンパク質抽出技術の最適化を実現し、バッチ間の一貫性については国際的な評価を受けています。オーストラリア国内を代表する粉末状タンパク質抽出のエキスパート企業として成長した当社の現生産能力は1,100MTです。機能的で革新的な食品原料のグローバルサプライチェーンにおいて、オーストラリア国内で先導的な役割を担っています。

AAP社の抽出技術は、タンパク質抽出時における副産物をグルテンフリーの天然乾燥デンプンとして生成できるため、付加価値のある食品原料へ転換できるのも特徴です。

豆類の中でも、機能性が高くクセのない風味が食品や飲料の原料として最適なソラマメを主に使用していますが、黄エンドウ豆、緑豆、黄レンズ豆、赤レンズ豆、ひよこ豆などからも高タンパク質含有物を抽出することに成功しています。

また、メルボルンに拠点を置く、唯一の植物由来の商用研究開発施設を所有しており、お客様の特定の要望を満たすために、新しい植物由来原料の抽出実験を自社で行うことが可能です。

販売拠点もメルボルンに設け、国内外の食品・飲料メーカー向けに、植物由来のタンパク質粉末を12.5㎏パックに梱包し、供給しています。高品質で食味が良く、用途は健康補助食品、代替乳製品、代替肉、飲料、パン生地、ペットフード、スナック、スプレッドやスープなど多岐にわたります。消費者向けの自社ブランド商品を開発せずに、多様な市場の需要に応えるため、B2Bモデルを使用しています。

独自の抽出技術と応用専門知識を、戦略的提携による販売および流通ネットワークと組み合わせることで、高品質な植物由来のタンパク質を世界中のお客様に供給できるという大きな優位性を確立しました。

APP社は、今後予想される世界の植物性タンパク質の継続的な成長(2030年にCAGR9.1%)に対応するべく、新たな大型加工施設の建設計画を進めています。

(写真のキャプションは編集部にて追加しました)

企業名:Australian Plant Proteins
URL: https://approteins.com.au/

主な事業:
植物由来の原料(豆類)から含有タンパク質を抽出し粉末に加工

お問い合わせ:ビクトリア州政府東京事務所
小澤潔子(シニア投資ディレクター)
連絡先:kiyoko.ozawa@global.vic.gov.au

「オーストラリアのスタートアップ企業最前線!」では、毎週オーストラリアの各州政府が選り抜いた農業・食品分野の新興企業を紹介します。詳しくは記載の州政府駐日事務所にお問い合わせください。(編集部)

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