湖城の窓から「非公式制裁」

中国税関総局が2年ぶりに、自国市場への販売許可対象者のリストを更新し、オーストラリアの青果業者が多数含まれたことが分かりました。かんきつ類や核果などが対象で、西オーストラリア州最大のマンゴー業者スワッグマンゴーやアグリフレッシュ、果物処理施設のフルーティコなどが含まれています。各業界団体はもちろん、野党国民党のリトルプラウド党首も歓迎のコメントを出しました。

改めて気付くのは、中国によるオーストラリア産農産物の禁輸では、果物の影響も大きかったということです。調べてみると、オーストラリアの果物の対中輸出額は2014/15年度の5,940万豪ドルから急速に拡大し、19/20年度には5億3,200万豪ドルと、5年間で実に9倍強も成長していました。

それが20/21年度には3億5,000万豪ドル、21/22年度には2億8,000万豪ドルになりました。新型コロナウイルスの流行に伴う物流混乱の影響もあったかもしれませんが、半分に急減したことが分かります。

大麦やワインといった制裁関税の導入が明らかなものから、自国業者に豪産品の使用を禁じたとされる綿花、検疫強化を理由にした食肉や水産物、小麦、木材など、ありとあらゆるものを禁止しようとした中国。これまで制裁が判然としていなかった品目でも、今後突然「解禁」が発表されることが増えるかもしれません。(編集長)

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