第4回 オオカミ襲来、羊が自らメールでお知らせ!
羊の天敵というと何を想像しますか?
直接的な害を与えるものとしては豪州ではタカ、日本ではキツネなどが知られています。またスイスではこの100年間姿を見せなかったオオカミが戻ってきたようで、7月27日には羊2匹が殺されるという事件が起きました。このように一刻を争う状況下で、差し迫る脅威をいち早く羊飼いに通知できるシステムがあったら便利だと思いませんか?
羊飼いというと、現代テクノロジーからかけ離れたイメージを抱きがちかもしれませんが、そんなことはありません。約1世紀ぶりにオオカミが出没し始めたスイスでは、羊を使ってオオカミの襲来を羊飼いに携帯メールで知らせる首輪の開発が、すでに始まっているのです。今回はそんな首輪についてご紹介します。
先日スイスの牧草地で実施された実験に協力した生物学者ランドリー氏によれば、屋外でのこのような実験が行われたのは今回が初めてとのこと。スイス通信によると、実験では10頭前後の羊にそれぞれ心拍数モニターを装着させ、その後念のために口輪を付けたオオカミ犬2頭に羊を襲わせました。
今回開発中の首輪は、オオカミ犬に追われた羊の心拍数の変化を利用するもので、首輪が急激な心拍数上昇を感知すると、羊飼いへ自動的にメールが送信されるのです。また単に通知するだけでなく、現地でオオカミが嫌がるガスを自動で噴射させる機能も検討されています。
ランドリー氏によると、この首輪は経済的に牧羊犬を導入できない小規模な牧場や、番犬の使用が好まれない観光地向けに検討されているとのこと。首輪の試作品は年内にも完成予定で、2013年にはスイスとフランスで試作品を用いた実験も予定されています。また、ノルウェーなどいくつかの国も興味を示しており、今後の展開が期待されています。
羊の性格は温順で臆病というのが一般的ですので、この首輪は羊にとって強い味方になるかもしれません。
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