豪ワーホリビザ延長抽選に、農業労働力に打撃

オーストラリア連邦政府のバーク内務相は17日、純海外移住者数(NOM)の削減に向け、移民制度の追加改革を発表した。ワーキングホリデービザ(査証)で2年目、3年目の滞在を希望する人に抽選制を導入するほか、現在は1日程度の場合もある申請の処理に最長3カ月を見込む。収穫期を控える農業など地方産業で、季節労働者の確保が一段と難しくなる懸念が出ている。

ワーキングホリデービザは18−30歳を対象とし、1年ごとの更新で最長3年間滞在できる。バックパッカーは農業分野の季節労働力を支えているが、今後は抽選に外れれば2年目以降の就労を続けられなくなる。

一方、政府は人材需要に対応するため、農業、養殖・漁業のほか、保健、建設、教育、法執行、国防、資源分野の技能ビザを優先して処理する。海外からの申請より、既に国内に滞在する人の申請を優先する方針も示している。

政府はNOMを2026/27年度に24万5,000人、翌年度以降4年間は年22万5,000人へ減らす方針。3月までの1年間のNOMは29万2,100人と、政府の25/26年度予測29万5,000人を下回った。

■「収穫できるか失うかの違いに」

全国農業者連盟(NFF)のマッキンタイア会長は、クイーンズランド州の一部では既に収穫が始まり、主要な収穫期も数週間後に迫る中、農家は「数カ月ではなく数日」での承認を必要としていると指摘した。3カ月の遅れは作物を収穫できるか、失うかの違いになるとし、農家や加工業者、地方社会への打撃を警告した。

NFFによると、ワーキングホリデー利用者は国内の農業雇用の約7人に1人を占める。業種別では青果の44%、穀物の31%、食肉の26%、綿花の25%に達し、生鮮農産物では収穫最盛期の労働力の最大80%を担う。

投稿者プロフィール

ウェルス編集部

公式SNSをフォロー