オセアニア農業の歩み「小さなプラスチックごみ」

今週は、ニューサウスウェールズ州政府が、魚型のしょうゆ容器やパンの袋に使われるプラスチック製タグなどを今後廃止することについて取り上げました。州の長期戦略「NSWプラスチック計画」をさらに推進する内容で、日常生活の中から使い捨てゴミを減らす取り組みが一層進みそうです。

オーストラリア海洋保護協会(AMCS)などは、過去3年間にわたり主要4社のスーパーマーケットプラスチック包装の実態を調べました。マンゴーの詰め合わせ商品では、果実へのシール、トレー、ソフトプラスチックという3重構造の包装が確認されました。皮を剥かれてトレーとラップで覆われたトウモロコシや、再利用が難しい洗剤ボトルなども問題視されています。調査結果では、ドイツ系格安スーパーのアルディが「使い捨て包装の多さ」と「情報開示の少なさ」で最低の評価を受けました。次いでコールズ、メットキャッシュ、ウールワースの順でした。

ブランド表示や商品識別などのため、果物に貼られるシールも環境汚染の一因とされています。AMCSによると、年間110トンものシールが廃棄または水路などに流出しています。日常の中で見過ごしがちな「小さなプラスチックごみ」も積み重なれば大きな負担になることを実感します。(本田歩)

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ウェルス編集部

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