湖城の窓から「北高南低」
西オーストラリア(WA)州の穀物業界団体、穀物産業協会(GIWA)がこのほど、今シーズンの冬作物生産量の見通しを発表し、先月の予想を上方修正しました。
弊誌でもたびたび取り上げてきましたがWA州は今年前半に乾燥し、シーズン開始が大幅に遅れました。しかし冬季に適時の雨が降ったことで回復し、再び乾燥した9月には業況が懸念されたものの、シーズン最終盤の降雨に支えられた状況です。現在ではほぼ例年並みの生産量が予想されているようです。
一方、国土の南部、特にビクトリア(VIC)州と南オーストラリア(SA)州、ニューサウスウェールズ(NSW)州南部は状況が厳しく、乾燥に降霜の被害も相まって、SA州は前年比43%減、VIC州も35%減との予想もあります。
NSW州は地域によって差が大きく、南部以外は9月半ばまで条件は整っていましたが、霜害は中央部のGrenfellやForbesでも影響があったようです。ただし気候条件が良好だった北部の豊作が相殺し、NSW州全体では前年比1割増の見込みです。
全国的に北部は気候が良好で、クイーンズランド州の生産量は記録を更新するとも予想されています。
オーストラリアの穀倉地域は主に南部に広がっていますが、今シーズンは品目や地域によって差が大きく、北高南低ともいうべきいびつな構成になる可能性も高そうです。(編集長)
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