湖城の窓から「注文の多い日本」

本誌第646号(3月8日付)の「日本、豪産ブドウの輸入品種制限撤廃へ」で報じた日本のオーストラリア産ブドウの輸入解禁について、業界団体オーストラリア・テーブルグレープ協会が国内生産者に対し、今年5月か6月に品種制限が撤廃されるとの見通しを示しました。

現在日本でオーストラリアからの輸入が認められているブドウは3品種のみですが、規則の改正などを経て新たに約20品種の輸入が可能となる方向です。

実はオーストラリア産ブドウの日本向け輸出は、ここ数年間右肩下がりです。昨年度(2022/23年度)の輸出額は2,247万豪ドルで、前年度から24%減と大きく減りました。

オーストラリア全体の輸出額が減少したという訳ではありません。では日本が減らした分はどこへ向かったかというと、中国や東南アジアです。昨年度の中国向け輸出額は約2億豪ドルで、何と前年比89%増。2位のインドネシアも8,415万豪ドルで10%増。これまで日本よりも少額だったタイやフィリピン向けも、昨年度の輸出額は日本向けを超えています。

「日本は細かい注文を言う割には金払いが悪い」と展示会で筆者に耳打ちした輸出業者もいました。業界からは、近ごろはオーストラリア側が日本への輸出に関心を示さなくなったという声も聞かれます。(編集長)

公式SNSをフォロー