湖城の窓から「猶予はわずか」

オーストラリアの生体牛の最大輸出先インドネシアが、オーストラリア北部の出荷施設(4カ所)からの輸入を禁止して2週間以上が経過しました。輸入牛にウイルス感染症のランピースキン病(LSD)が確認されたというのが理由です。

ワット農相は禁止直後の先月31日、声明で「国内でLSDは発見されておらず、インドネシア当局とも協力し早急に輸出要件を満たすことを保証できるようにする」と述べていますが、その後の発表はありません。対応チームを立ち上げ、北部を中心に調査を進めているとみられます。

そうした中、インドネシアがオーストラリアに対し、調査の猶予を60日間と指定していることが分かりました。国営アンタラ通信が報じたところによると、同国最大の貿易港、タンジュンプリオク港でオーストラリア産の牛に感染が発見されたのは5月25日から7月26日の間。インドネシア当局がオーストラリア農業省に最初の書簡を送付したのは7月12日でした。

インドネシアはその60日後に当たる9月12日までに結論を出すよう求めています。陽性が確認された場合、該当の4施設以外からの輸入も禁止するとしているもようです。

すでに猶予期間の半分以上が経過しました。前向きな結果が出ることを祈るほかありませんが、インドネシアの措置は国内生産者向けのアピールという声も一部にはあるようで、予断を許しません。

オーストラリアが2021/22年度に輸出した生体牛のうち、半分以上(56%)がインドネシア向け。その数は33万頭あまりにもなります。(編集長)

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