第334品 ヤルーのスパークリングウオーター

透明なボトルに先住民アートが映えます

オーストラリアでは日本のように水道水が飲めますが、毎日飲む水としてミネラルウオーターを購入する人は少なくありません。今回は、高品質な水の販売を通じてアボリジニの文化を支え、先住民とそうでないオーストラリア人をつなぐ社会的企業、ヤルー(YARU)を紹介します。

ヤルーはオーストラリア初の先住民による飲料水企業として、2011年に創業。ニューサウスウェールズ州北部バンジャルン・カントリーの中心部にある古い火山の地下深くから湧き出る水を採水しています。自然の水質を維持するため、単一の水源にこだわっているそうです。

「カントリー」とは、アボリジニの人々が自分たちとつながりのある土地、水路、海を表現するためによく使われる言葉で、場所や習慣、言語、精神的な信念、物質的な糧、家族、アイデンティティーなどに関する複雑な考え方が含まれています。ヤルーの共同創業者であるスラブ氏は「何千年もの間、私たち先住民はこの土地から溢れ出す力とエネルギーを理解してきました。この理解とつながりを共有することを、ヤルーは目指しています」と説明しています。

価格は1リットル当たり2.95豪ドル(1豪ドル=約82円、価格は調査当時)で、売上高の一部は先住民コミュニティーの健康の向上や、文化的認識を高めるための活動に使われます。いつもの水が少しの社会貢献になるだけでなく、ボトルのデザイン性も優れており、レストランや来客時などに活躍しそうです。(岩下)

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