第236品 デアリーファーマーズの「ティック&クリーミー・ヨーグルト」
このコーナーで何度も取り上げられているヨーグルトですが、今回は老舗中の老舗、デアリーファーマーズのティック&クリーミー・ヨーグルトを紹介します。
デアリーファーマーズは、1900年にニューサウスウェールズ州イラワラの酪農家65人が集まって設立した協同組合が前身です。老舗を謳う同業のブラが1910年の創業ですから、それよりもさらに10年古く、実に120年の歴史を持つブランドです。「都市に住む消費者に直接牛乳やバターを届ける」というのが設立の目的で、新進の精神があったのでしょう、ガラス瓶を使ったのは同社が最初、1960年代には牛乳の自動販売機も開発しています。公共に貢献するという意識も高く、今から80年前に学校へ牛乳の無償提供を行い、多い時には500校以上に配りました。また、戦時中兵士が飲んだのも同社の牛乳でした。
93年に他州の酪農会社を買収、全国的な組織となります。その後2008年に日本のキリンが保有する旧ナショナルフーズの買収提案を受け入れ、ライオン・デアリー・アンド・ドリンクス(LDD)の一部門になりました。そして去年、中国の乳業大手の蒙牛乳業(Mengniu Dairy)がLDDを買収しました。
今では250軒を超える農家が加盟していますが、中国資本の傘下になることに、反対の声はないそうです。農家からの最も多い質問は「Mengniu」をどう発音するかだとか。
肝心の味はと言うと、その名の通り濃くなめらか。ほとんどのスーパーで売っています。価格は4.5豪ドル(1豪ドル=約67円、価格は当時)と庶民的。(尋助)
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