誰にも言わないで

シドニーの日本食レストランで食事を楽しんだ後、その日本人シェフと話す機会があった。その時彼は「実は明日で店を辞めるんです」と告げてきた。

5年後に日本で自分の店を開くための準備をするのだと言う。一風変わった面白い店にするから是非来てくれと言うので、一体どんな店を開くのかと尋ねると、彼は「彼女にしか言っておらず、極秘なんだけど……」ともったいぶりながらも、なぜか初対面の私に、具体的な構想を事細かに話し始めた。彼によると、思い描く店は日本には存在しないのだとか。「今は古くからあるものが消えて新しいものが生まれる時代。この構想こそ、未来を生き抜くための宝物だ」と、成功への自信を見せた。

さて、彼がどんな店をやると言ったかって?さすがにここでは明かせないが、5年後、彼が日本で夢を実現させることよりも、秘密にしておくことが苦手な彼の「宝物」が、まもなく日本に知れ渡らないことを切に願った。(袋猫)

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